アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)を拠点とする資産運用会社Offset8 Capital Limited(以下、Offset8)は、このたび中東初となる大規模炭素投資ファンド(以下、本ファンド)の設立を発表いたしました。本ファンドは、目標規模を少なくとも2億5000万米ドルに設定し、持続可能な未来への投資を加速させることを目指します。
本ファンドは、マングローブの再生、森林再生、バイオ炭技術の開発など、気候変動の緩和および適応に資するプロジェクトへの投資を主な目的としています。
特に、アフリカおよび東南アジアの地域社会を支援し、環境保全と持続可能な経済発展の両立に貢献するプロジェクトを重点的に選定してまいります。
投資対象プロジェクトの評価にあたっては、Voluntary Carbon Market’s Core Carbon Principles(ICVCM)が定めるコア炭素原則を採用いたします。これにより、最新の科学的知見とベストプラクティスに基づいた、実際に検証可能な気候変動対策効果を創出する高品質のカーボンクレジットの生成を目指します。
Offset8の創業者らは、ADGMが導入したカーボンクレジットを金融商品として規制する革新的な枠組みを最大限に活用するため、ADGMに資産運用会社を設立し、本ファンドを設置することを決定いたしました。本ファンドを通じて、ADGMが持続可能な金融の分野における主要な国際金融センターとしての地位を確立する一助となることを期待しています。
Offset8のチームは、主にアブダビを拠点とする12名の専門家で構成されており、炭素市場、商品取引、新興市場における投資・資産運用など、多岐にわたる専門知識を有しています。こうした専門性を活かし、質の高いカーボンクレジット生成プロジェクトの発掘から、生成されたカーボンクレジットの実現に至るまで、一貫したマネジメントを行ってまいります。
現在までに、Offset8は29カ国において50件を超える有望なプロジェクトを特定しており、これらが本ファンドの投資パイプラインを形成する見込みです。
また、日本をはじめとする主要なカーボンクレジット購入国の潜在的な取引先との協議も進めており、
本ファンドが生成するカーボンクレジットの安定的な需要確保に努めてまいります。
規制当局の承認を前提として、Offset8は2023年第3四半期に本ファンドの初期クローズを予定しています。なお、本ファンドの設立および運営に関する法務アドバイザーとして、Clifford Chanceを起用しております。
Offset8の共同創業者であるJules Maitrepierre氏およびIvan Mozharov氏は、「Offset8が設立する炭素投資ファンドは、単なる投資機会を超えた、持続可能な未来への架け橋です。
私たちは、このプロジェクトを通じて、環境保全、経済的支援、そして世界規模での協調行動によって形作られる新たな未来を創造してまいります」 と本ファンドの設立についてコメントしています。